火災保険料はなぜ毎年あがるの?
こんにちは。株式会社Rayoflightの木村です。
このブログの題名の質問、よくいただきます。。。
毎年毎年大雨や土砂災害で、多くの被害が出ており、そのせいであがっているのはみなさんなんとなく想像していただけるのではないでしょうか?
大雨による洪水や、土砂災害による建物や家財の損害は、火災保険の「水災補償」の対象になりますが、今回、その保険料率が大きく見直されることになりました。
やっぱり今年もか。。。という感じですが、その仕組みについての記事を見つけましたのでご紹介します。
火災保険料の算出指標、「参考純率」とは?
保険会社の火災保険料率に大きな影響を与えているのが、損害保険料率算出機構(以下、損保料率機構)が算出している、火災保険の「参考純率」です。2023年6月に、損保料率機構が変更の届け出を金融庁長官に行い、参考純率の改定が決定しました。
損保料率機構が算出する純保険料率を「参考純率」といい、保険会社は参考純率をそのまま使用したり、修正して使用したりもできます。参考純率は保険会社にとって使用義務のない参考数値ではあるのですが、実際には保険会社の保険料に大きな影響を与えています。2022年6月、参考純率の主な改定内容について
今回の火災保険の参考純率の主な改定内容は以下の通りです。
参考純率の主な改定内容
① 平均で13.0%の引き上げ
② 水災に関する料率を地域のリスクに応じて5区分に細分化
・地域の単位:建物がある市区町村別
・区分数:保険料が最も安い「1等地」から最も高い「5等地」までの5区分
・料率の較差:保険料が最も高い地域と保険料が最も低い地域の較差は約1.2倍2023年、参考純率改定の背景とは
なぜ、今回参考純率の改定が行われたのでしょうか? 大きくは2つの理由があると考えています。
災害が増え、保険金の支払いが増加している
まず一つの理由として、支払われる保険金の増加が挙げられます。
近年、一定規模の被害を及ぼす自然災害が毎年発生している状況にあり、加えて、住宅の老朽化の進行や修理費の高騰などにより保険金の支払いが増加傾向にあります。
資料:一般社団法人日本損害保険協会 「自然災害による保険金支払い状況」
また、自然災害リスクの変化も挙げられています。最近は甚大な被害を及ぼす強い台風が増え、接近頻度も変わってきています。こうした背景には地球温暖化の影響が示唆されていて、以前の台風とは傾向が異なってきています。
そこで、参考純率を算出するための「リスク評価」で、この変化により対応できるよう、近年の台風データを重視する手法に見直しを行っています。これにより、今回、参考純率の改定が行われたというわけです。
水災リスクに応じた保険料にすることで、負担を公平化
そして、水災料率を5区分に細分化したことについては、水災リスクに応じた保険料にすることで、契約者の間で保険料負担を公平にするのが目的です。雪災や風災については、以前から地域ごとに保険料の差がついていましたが、水災はデータが少なかったために現在まで全国一律となっていました。ですが、水災補償料が上がると、水災補償を付帯できなくなる契約者が増えることで社会全体に対する補償機能が損なわれる懸念を、損保料率機構は挙げています。
また最近は、地域の洪水ハザードマップなどの水災リスク情報が拡充され、保険契約者がそれを踏まえて自分のリスクは低いと判断し、保険料節約のために火災保険から水災補償を外す傾向がみられ、この傾向が続くと更なる水災料率の引上げが必要になると、損保料率機構は説明しています(※1)。
これは非常に悩ましい問題ですが、私の意見としては、極めて水災リスクの低い地域に住む人は、水災補償を確保する必要はないと考えています。
ただし、近年、総雨量1,000mm以上の雨も頻発する等、雨の降り方が集中化・激甚化している(※2)ことを考えると、洪水ハザードマップで浸水想定区域から外れていたとしても、浸水想定区域から近いのであれば水災補償への加入を検討するべきでしょう。
また、河川の氾濫による洪水だけでなく、下水道等の排水施設の能力を超えた雨が降った時などに下水道や水路等から雨水があふれだし浸水する「内水氾濫」のハザードマップも確認して、現状より多くの人が水災補償を確保するべきと考えています。水災に関する料率が5区分に細分化されることで、水災リスクが低いと考えていた人の保険料が相対的には安くなり、水災補償への加入が促進されることを期待しますし、水災リスクが高い人にとっては負担増となりますが、免責金額を増やすなど補償内容を見直しながら水災補償を継続することを願います。
2024年、火災保険料はさらに値上げへ! 来年度の火災保険改定ポイントについて解説|ダイヤモンド不動産研究所 (diamond-fudosan.jp)
保険料UPによりお客様が疑問や不安を持たれるのは当然だと思っています。
それを少しでも取り除き、ご納得していただけるようしっかりとした説明を心がけています。
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